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サークルSS キス2

※このページはサークル『エリュテイア魔導学院』関連のページです。

@gamesの終了に伴いこちらに移転してきました。 尚、内容は@gamesに載せていたものと同じになります。

(またやっちまったぜ\(^o^)/

イチャイチャの神がSSを書けって言ったんだ、……たぶん。

今回もR-15ですすみません。苦手な方はバックプリーズ)

「まだ慣れないのか」

つまらなさ気に落ちた言葉に、リエルはムッと唇を引き上げた。

「なによ、わ・る・い?」

キスをする寸前に水を差され、機嫌が一気に下降していく。

ためていた気力までどこかに逃げてしまったかのようだ。

「悪くはないが……、待たされる身にもなって欲しいな」

「な、なによぅ」

この事に関して、リエルはいつもいっぱいいっぱいだ。

キスをしてくるのも、抱きしめてくるのも、決まってガディアスの方。

それでも自分なりに想いを、態度で表しているつもりだった。

「なによぉ……」

「泣くな……」

抱きしめられてあやされると、それだけで力が抜けていってしまう。

ずるいと思う分だけやはり胸が高鳴る。

「悪くはないといっているだろう。まあ、お前に少し意気地がないのと同時に、俺にも堪え性がないという話だ」

そういって背中をあやしていた指は、いつの間にかリエルの唇をもてあそんでいた。

ぷにぷにと形が変わる様子を、熱心に両の眼が見つめている。

「リエル……」

そのまま近づてきたので、自然とまぶたを閉じていた。

(キスをしている時だけは、まるで別世界にいるみたい。どんな場所からも切り離されて、ただただ胸がいっぱいになってく……)

長い口づけの余韻に浸っていると、ガディアスがふいにこんなことを言った。

「お前は、キスにも意味や種類があると知っているか?」

意味が分からずに、思わず小首をかしげる

「意味?種類?」

「ああ……、例えば手の甲は敬愛だな。指先は賞賛……」

そのまま口づけを落としていく恋人から、リエルは目が反らせなくなっていた。

二人の時だけの眼差しや雰囲気を出されると、いつも抵抗という意思は砂のように崩れてしまう。

「手首は欲望で、手の平は……懇願だ」

ガディアスの歯が手首を軽くかじり、手の平をねっとりとなめる。

服の上から胸を押さえても、暴れる動悸が収まらない……。

リエルが頬を染めながらすねたように訊ねると、

「わざと……?」

「まあな」

返ってきたのは不敵な笑みだった。

そしてもう一度手の甲に口づけが落ちる。

「その、僕、その……」

「他にもあるから教えてやる」

「えっ、きゃあ!」

一瞬の早技で、リエルの視界がやわい布に覆われた――――かと思いきや、そのままベッドに押し倒されていた。

「ガ、ガディー?!なにするのっ?!」

「なにって……趣味か?」

「趣味?!」

かん高い声がもれたが、あまり焦りはなかった。

目元の拘束……と言えば仰々しいが、手足は自由な上に、ごくゆるく巻かれた布は、押しのけるまでもなく外れそうだ。

それでも視界が塞がれたことに、心拍数がいやおうにも高まっていく……。

「あ、あの……」

ベッドがきしむ音と共に、ガディアスの気配をすぐ側で感じた。

固い指先が髪をすいていく。

「髪は思慕……」

頭皮をかすめるように、口づけが落ちた。

「額は祝福」

そこにも唇が落ちる。

「頬は親愛。そして……」

その次にくるのは、なんとなく唇だと思った。

だがそんな予想を裏切って、耳たぶが軽く食まれる。

「耳は、誘惑だ……」

リエルは涙目になりながら、ベッドで小さく震えていた。

恥ずかしさ、嬉しさ、戸惑い、色んなものが込み上げてくる。

それでも、その時になぜか強く思ったことを、声に出した。

「ねぇ、ガディー……」

「なんだ」

「顔が見たい」

「えっ?」

布を上げようとする小さな手を、ガディアスがとっさに押し止める。

「待て!」

「やだ、見たい」

「だから、少し待てと」

元からゆるく巻かれていた布は、すぐに指先でほぐれていく。

すぐ真上に見えた顔は……

(趣味だなんだって言ったけど)

「やっぱり恥ずかしかっただけじゃん……」

「うるさい!」

「照れた顔を見られたくなかったんでしょ?」

「黙れ」

首筋まで朱に染まったガディアスが、憮然とした表情で見下ろしていた。

その目にはギラギラした欲と羞恥が渦巻いている。

(前にも思ったけど、照れてるガディーって)

「やっぱり、可愛い……」

「黙れと言っているだろうが」

精一杯凄んでいるのだろうが、その真っ赤な顔を見てしまえば、どんな言葉も威力を失う。

リエルはくすくすと笑った。

「ガディー、僕も一つだけね、知ってるよ」

そっと顔を寄せると、唇を押し当てる。

「唇へのキスは、……愛情、でしょう?」

リエルが照れたようにはにかむと、ガディアスが参ったとばかりに天を仰いだ。

それから音がしそうな程強く抱き締める。

「お前にここまでされたら、なにも出来なくなるだろうが……。キスの意味はまだ残っていたのだがな」

あんな幸せそうな笑みを浮かべられたら、俗な意味の口づけなど出来るはずがない。

それでも、リエルからの行為に、心が満たされたのも事実。

そして、濡れたような声音が彼の鼓膜を揺らした。

「じゃあ、もっとしても……いいよ?」

唇が触れた場所が熱を持っていた。

耳の意味は――――『誘惑』

ガディアスは一つ唾を飲みこむと、眼を野獣のようにギラつかせて、まず喉(欲求)から口づけを落としていく――――。

彼はその日かつてないほどの忍耐と我慢を強いられることになるのだが、人はそれを自業自得と呼んだりもする。