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第75期名人戦七番勝負第1局

挑戦者稲葉陽八段の勝ち。

封じ手▲2五歩からの△同歩▲3六歩△3五歩▲同飛△2六歩

歩を合わせて歩を進ませて、その歩を成らせてしまった。

封じ手の辺りでは勝負有りか。

――後手番で横歩取り、8五飛型という選択でしたけれども、用意されていた作戦でしょうか。

稲葉 そうですね。後手番だったらやろうかなと思っていました。

――すぐに戦いが始まらないまま1日目が終わったのですが。

稲葉 こういう展開も仕方ないかなと思っていました。先後逆で佐藤さんとやったときよりもうまく指されたので、思っていたよりも嫌な展開にはなったのかなと思っていました。

――作戦としては先に攻めようという意識でしょうか。

稲葉 戦いを起こすのが難しい展開になるので、一方的に攻めようという作戦ではなかったです。

――1日目の終わりは長考が繰り返される展開でしたが、難しい局面だったということでしょうか。

稲葉 向こうの玉が堅く、1手のミスで悪くなってしまうので、慎重に指しました。

――封じ手は▲2五歩でしたが、そこからの展開は予想されていたのでしょうか。

稲葉 ▲2五歩から▲3六飛はチラッと思った手であまり考えていなかったので、改めて考え直したという感じです。

――△3五歩▲同飛△2六歩と指したあたりの自信のほどは。

稲葉 大駒を近づけておけば攻め方が難しいかなと思ったので、何となく少しずつよくなったのかなという感触はあったんですが。

――△8五桂で休憩に入りましたが、手応えがあったのでしょうか。

稲葉 まずまずかなと。

――その後は順調に、という感じでしょうか。

稲葉 玉が薄いので1手ミスしたら……。しっかり指せばと思っていました。

――勝ちを意識したのは。

稲葉 最後、△5五桂の筋が見えて。

――これで初めてのタイトル戦、初めての名人戦開幕勝利ですが。

稲葉 挑戦者は先勝して五分だと思っているので。これから先が長いので、大変かなと思っています。

――本局は△8五飛の形でしたが、ある程度予想がついていたのでしょうか。

佐藤 横歩取りといってもいろいろありますが、その中の想定のひとつという感じです。

――作戦はどんな方針だったのでしょうか。

佐藤 1筋の位を取って固めて、攻めを見いだせればと思ったんですけど、ちょっと難しかったかもしれません。

――途中から前例を離れたのですが、攻める展開になってどうでしたか。

佐藤 封じ手のところは攻めることになった、という局面だったんですが、具体的な順が見つからなかったので……。苦しいくらいに思っていました。

――△2六歩と伸ばされてから、考えられていました。

佐藤 攻めが軽いですし、△2六歩も伸びてきているので、すでに苦しいのかもしれないですね。

――その後、どう挽回するかを考えられたのだと思うのですが。

佐藤 △8五桂を見落としていまして。△2六歩と伸ばされたところは悪いと思うんですけど、それがわかっていれば▲2八歩と辛抱したと思います。本譜は収拾困難になってしまいました。

――今回は黒星ということでしたが、今後の意気込みをお願いします。

佐藤 まだ先は長いので、気を取り直して頑張りたいと思います。

開始日時:2017/04/06 09:00

終了日時:2017/04/07 17:05

棋戦:第75期名人戦七番勝負第1局

戦型:横歩取り△3三角型

持ち時間:9時間

消費時間:72▲484△444

場所:ホテル椿山荘東京

備考:昼休前32手目43分\n2日目昼休前49手目22分\n封じ手時刻:19:02<41手目>\n

先手:佐藤天彦名人

後手:稲葉陽八段

▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩

▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8六歩

▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △3三角 ▲3六飛 △2二銀

▲8七歩 △8五飛 ▲2六飛 △5二玉 ▲7七角 △7二銀

▲6八銀 △7四歩 ▲5八玉 △7三桂 ▲1六歩 △2三銀

▲1五歩 △2四歩 ▲4八銀 △9四歩 ▲9六歩 △6二金

▲5九金 △8一飛 ▲1七桂 △6四歩 ▲2五歩 △同 歩

▲3六飛 △3五歩 ▲同 飛 △2六歩 ▲2五飛 △8五桂

▲6六角 △同 角 ▲同 歩 △3四角 ▲2四歩 △2五角

▲2三歩成 △3四角 ▲3二と △7八角成 ▲5六角 △同 馬

▲同 歩 △7八角 ▲8六歩 △8九角成 ▲8五歩 △8八飛

▲6七金 △2七歩成 ▲4一角 △同 飛 ▲同 と △5五桂

まで72手で後手の勝ち