読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

韓国ドラマ 「記憶」

最近ひとから借りた韓国ドラマ2本がいずれも秀逸だった。

「記憶」 いわゆるミニシリ−ズと呼ばれる16話。2016年

出演者  イ・ソンミン , ジュノ(2PM) , キム・ジス , パク・チニ,  ユン・ソヒ、 イ・ギウ

監督 :パク・チャンホ 脚本 :キム・ジウ

働き盛りの中年の弁護士パク・テソクはアルツハイマ−病にかかり、次第に仕事にも支障が出る中で、過去のわが子のひき逃げ事件の犯人探しもしながら、病気の進行とは逆に人間的に成長していくという姿を描いたものだった。

大きな法律事務所に属しているナンバ−1弁護士。依頼者のためなら医療過誤の死亡も、DVによる夫婦間の裁判も狙った結果に導く弁護士の主人公という設定の役柄をしっかりした印象の顔と演技力でこなすイ・ソンミン。

>元々は情深く正義のために戦う刑事事件の弁護士であり、一児の父親であったが、ひき逃げ事故で息子を失うと、それが原因で離婚。

弁護士として息子のために戦うも、巨大な権力を前にできることは何もなかった。社会の不条理と自身の無力さを実感したテソクは、正義を貫くために権力に執着するようになる。

だが、一度知った権力の味は想像以上に甘かった。いつしかテソンは「力」にとらわれ「心」を失ってしまう。それと引き換えに、仕事では人生最高の黄金期を迎える。そんな時、 医者からアルツハイマーの宣告を受けた。(以上web上から引用)

加齢による認知症とはまた別の、働き盛りに記憶を失っていく男の人生を掛けた弁論記。

医者である親友にアルツハイマー病と診断されて、その現実に戸惑い、必死に抵抗するも徐々に症状があらわれ、認めざるを得なくなっていく過程と、彼を支える家族の姿、職場の人間関係が温かく描かれていて、彼の最後まで守りたい人生の大切な価値が伝わってくる。

俳優イ・ソンミンは数々のドラマに脇役として出ていたので、彼の顔は知っていた。

でも、注目したのは少し前に見た(去年ぐらい)「未生」というドラマでだった。

「未生」(ミセン) : 将棋の世界で言うまだ生きるも死ぬも決まっていない駒のこと。

ドラマは商事会社にインタ−ンとして入ってきて採用になるかどうかまだ未定の若者たちの群像を描いたものだった。

なんだか10年も20年も前の日本の企業内の話みたいだなぁと思いながらも、必死に就職戦線を勝ち抜こうとする若者群像と、職場の上司であるイ・ソンミンたちの生き方働き方を見せられて、とても面白いドラマだった。

職場の派閥争いあり、足の引っ張り合いあり、日本のドラマではこういう生生しいドラマはもうないだろうなと思いつつ、イ・ソンミンの演技力にその時も感心したものだった。

そしてこの作品で彼はついに第51回百想芸術大賞にノミネートされ、受賞するに至った。

俳優が最も演じにくいのは”日常の姿”などと言われることがあるが、イ・ソンミンはこのドラマでいかにも現実にいそうな人間、そして、人間味にあふれたいそうでいない上司を演じた。

そのイ・ソンミンが主役の今回のこの作品だが、売りは2pmのジュノらしく、ネット上のDVDの宣伝にも必ず2pmのジュノと書いてある。

彼はちなみに同じ法律事務所で彼の部署に配属される若手弁護士という役柄。さわやかな印象で、秘書役のユン・ソヒとコンビで主人公を助けるもうけ役。

ところでチェ・ジウ主演の「スタ−の恋人」でヒロインの幼い頃を知っている心優しい若手実業家を演じた長身のイ・ギウが、今回うって変わって粗暴な財閥2世を演じていて、気色悪い。やさしい口元がここまで悪人の印象を与えるとは意外であり、演技とはいえ、哀しかった。

主演のイ・サンミンは10代で舞台に立ち、俳優を志すものの、親に反対されて大学生活を送り、結婚して子供もいる家庭でありながら34歳でソウルに出て来たそうだ。

運転代行やタクシ−の運転手をしながら演技を続け、脇役として数々の作品に出演しながらも賞には縁がなかったという。

「未生」で初受賞したのは40代後半。

そして、この「記憶」。

脚本もよかったのだと思うが、彼の持ち味が十分に出て、演技者として精進してきた彼の努力が実った気がしてうれしい。

友人は自分の近未来を見る気がして、こういう病気の作品は見たくないというが、私にとっては最近見たドラマの中では 一、二を争う秀逸のものだった。