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「シネマの街角」〜シン・ゴジラ〜

昨年公開されたゴジラ映画。

日本の映画賞を総なめにした作品でもある。

ゴジラ映画の誕生は1953年(昭和28年)。

アメリカの核実験が生み出したモンスターであり、反核をテーマに持つ物語だった。

ゴジラ」は大ヒットし、怪獣映画というジャンルが成立した。

子供の頃ゴジラは勿論、「ガメラ」「大魔神」など夏休み冬休みには公開され、足繁く映画館に通ったものだ。

製作会社の東宝にとっても、儲かる映画になったが、いくらヒットシリーズとはいえやはり衰退は余儀なくされる。

その大きな原因に、「ゴジラ対」としてライバルモンスターを用意したことがある。

ライバルモンスターは「モスラ」を除いて、すべて悪役として登場し、ゴジラは人類の救世主化していく。

だがやはりゴジラは凶暴なモンスターだというのが最大の魅力なのだ。

何回か映画はゴジラの持つ恐怖を再現しヒットさせたが、その続編で前回と同じ「ゴジラ対」に脚本が戻ってしまい、新鮮味を失って行く。

では何故、「シン・ゴジラ」が第40回日本アカデミー賞10部門を総なめにしたんだろう。

それが知りたくてDVDになった「シン・ゴジラ」を借りてきた。

まず、この映画の大前提として、人類とゴジラはファーストコンタクトなのである。

まだゴジラには名前もない。

破壊的な力を持つ巨大生物となっている。

しかも映画冒頭には観たこともない新怪獣が登場する。

あ、また「ゴジラ対」になっているのかと肩が落ちたが、それはいわばゴジラの幼生であり、ゴジラは本来の姿にメタモルフォーゼしていく。

モンスターの成長というのは、大ヒット映画「エイリアン」が傑作だったが、「シン・ゴジラ」ではあまりうまく描かれていたとは思えない。

同じ東宝怪獣映画なら「モスラ」の幼虫からサナギ、成体、と変化させた映像に軍配が上がる。

では何故、「シン・ゴジラ」が高評価されたんだろう?

それには、「シン・ゴジラ」の主役がゴジラではないというところにあった。

突然東京湾海底から現れた巨大生物への対処法に戸惑う政府機関の硬直した姿が皮肉に描かれ、いかに平和に慣れ、想定外自体の勃発に政府が脆弱であることが描かれる。

なるほど、単に破壊の恐怖として描くのではなく、いかに突発事態に日本の政府官僚が対処出来ないかを暴こうとしている。

物語は国連がアメリカによる東京への核攻撃を許可。

その原爆投下刻限が迫るなか、日本政府は総力を挙げたゴジラ対策に出る。

自衛隊のあらゆる兵器が通用せず、安保条約によって攻撃に出たアメリカ空軍のピンポイント貫通弾が若干のダメージを与えるが、武力による制圧は核攻撃しか残されなくなった。

果たして、東京原爆投下は防げるのだろうか!?

無敵のゴジラを阻止出来るのだろうか!?